公務員になったのに生活保護担当だった話。生保の仕事はきつい?

 

「生活保護担当(ケースワーカー)の仕事は超きつい?」

 

正直そんなことはないです。むしろ慣れたら楽なことも多いです。きついというイメージが先行しているだけですね。大変な仕事もありますが、それはどの仕事も同じです。

 

「いやいや、そもそも生活保護担当(ケースーワーカー)って専門職だから、事務職で公務員になったら配属されることはないんじゃないの?」と思っている人もいるでしょう。

 

それは違います。自治体によっては、事務職の一般職員がふつうに生活保護担当(ケースワーカー)になります。私が勤めていた区役所もそうでした。

 

そして、入区1年目にめでたく生活保護担当になることを命じられたのが、この私です。

 

ということで、今回は生活保護担当(ケースワーカー)になったらどのような仕事をするのかについて、実体験をもとにお話していきます。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:組合のわな

 

初日は入区式でした。その日に配属される職場が発表されます。そこで生活保護担当(ケースワーカー)になることを告げられました。

 

配属先が発表されたあとは、いろいろな手続きをして15時頃にそれぞれの職場に向かいます。

 

ここでみなさんにアドバイスがあります。このいろいろな手続きの中に、【組合入会のサイン】があります。入会は自由であるにもかかわらず、強制入会のように説明し、その場で印鑑を押すように支持されます。「入らないとなにか仕事で起きたときに守ってあげられないよ」とか言われますね。「もはや、脅迫じゃねーか。」と、思いながら私はしぶしぶ組合に入会しました。

 

結果的に、月々の給料から組合費が天引きされるだけで、なんのメリットもないので退会しました。しかし、退職手続きがとてもめんどくさいです。職場に「やめないほうがいいよ」と電話までかけてきます。あとから、親しくなった人事課の先輩には「入区式のときに、みんなに組合入らない方がいい」と伝えたかったといわれました。

 

ちなみに、途中で組合に入りたくなったら、後から簡単に入会できますので安心してください。

 

そんなこんなで、手続きを終えたあとで職場に合流しました。「初日ぐらいそのまま家に帰らしてくれよ」と心の中でつぶやきましたね。

 

その日は、所属する係が発表されて、職員のみなさんに自己紹介。文房具の整理をして終了です。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:臭いに圧倒される

 

ケースーワーカー(生活保護担当)の仕事の始まりです。

 

初日の仕事は生活保護費の窓口払いでした。普通の生活保護受給者の人は銀行口座に生活保護費が振込まれます。しかし、いろいろな事情(自己破産など)で銀行口座が作れない人がいます。その人たちのために、窓口(事務所)で生活保護費を支給します。

 

実は、この生活保護費の窓口払いは、生活保護担当(ケースワーカー)にとって、月に1度のビックイベントです。なぜなら、月に1度のその日に、生活保護受給者が一斉に押し寄せます。他の仕事がまったくできません。

 

しかも、窓口がおそろしいくらい臭い。ほとんどの受給者の人は普通な生活をしていますが、中には風呂に入らない人もいます。その人たちが集まることによって、とてつもない匂いを発生させます。マスクの意味すらありません。まあ、そのうち慣れてしまいますが。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:怖い人に怒鳴られる

 

何日かすると緊張もなくなりました。

 

そんなある日、1本の電話がありました。

 

生活保護受給者:「あっ、○○さん、なんか隣の部屋の奴がうるさいんだけど。どうにかしてくんね?」

 

この1本の電話が、悪夢の始まりでした。

 

私:「不動産屋に連絡してください。私にはどうすることもできません。」

 

生活保護受給者:「はっ?なめんてんのか?ふざけんじゃねーぞ、てめーがなんとかしろよ。」

 

このあと電話を切っても、何回も電話をかけてきました。他の仕事が手につきません。しかも、何日も続けて電話をかけてきます。そして、事務所にも怒鳴りにきました。しかも、入れ墨だらけで怖いし。

 

この行動力があるならさっさと不動産屋にいけばいいのに。

 

結局、この人の場合はこっちが怒鳴り返すことによっておとなしくなりました。しかし、たいていの場合は怒っている人に怒り返すと余計に状況が悪化するので気をつけてくださいね。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:かつてないゴミ屋敷の引越しの手伝い

 

ケースーワーカー(生活保護担当)は、ときには生活保護受給者の引越しの手伝いをすることがあります。引越しの理由は、さまざまです。

 

「具体的に引越しの手伝いってどんなことをするの?まさか重いものを運ぶの?」と思った人もいるかと思います。

 

そんなことはありません。やることは荷造りを手伝うだけです。

 

「なんだ、それだけなら簡単じゃん。」「引越しの荷造りだけで給料もらえるとか楽すぎ」とか思った人は大間違いですよ。

 

まずは、圧倒的に不衛生な空間。

 

ゴ○ブリさんファミリーがたくさんいます

 

100匹、200匹。いやいや、そんなレベルではありません。数千匹です。ゴ○ブリさんたちが飛び回っています。

 

そんななか、当時の私は無謀でした。ゴキジェット(殺虫剤)のみでなんとかなると本当に思っていたのです。

 

当然、どうにもなりませんでした。ゴ○ブリさんに襲われて、身体中ゴ○ブリさんまみれです。羽とかも腕についていました。

 

とりあえず、時間休をとって銭湯にいきました。その後、応援を要請し、先輩を2人連れて突撃。バルサンを駆使してなんとかやりきりました。

 

ここまでひどい家はそんなにありません。というか、その区に1人いるかいないかレベルだと思っています。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:仕事が多い

 

ケースワーカーは、広く浅くいろいろなことする仕事が多いです。デスクワークもおおいのですが、それ以外のことが多すぎます。たとえば、施設担当者との会議です。ときには、東京から群馬などまで出向くこともあります。もはや、日帰り旅行です。

 

ほかにも、医者との会議、生活保護受給者宅の訪問、引越しの立ち会いなどなど。これらが1日に複数件あるときもあります。これに加えて、書類作成。慣れるまではなかなかきついです。

 

しかし、慣れたらたいしたことないです

 

実際に、ほとんどの職員は残業していませんでしたね。そのかわり定時に仕事が終わるので飲み会が多かったです。その他、課のレクリエーションなどもありました。こっちのほうがきついです(笑)

 

公務員(生活保護担当)の仕事:病欠者が多い

 

やはり、精神的にきつい仕事だからでしょうね。係に1人は病欠している職員がいました。ひどいときは、係から2人、3人、4人、どんどん人が消えていきます。

 

もうこれは仕方ないですよね。だって、怒鳴られるも嫌だし、ゴ○ブリさんまみれも嫌です。病欠して次の異動を待つのも手段です。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:まれに死人に遭遇する

 

高齢単身世帯の孤独死ですね。課で1年に1人は遭遇してしまう人がいるかもしれません。私は幸いにも遭遇したことはありません。ちなみに、身元不明者の身元確認のために、警察から死んだ人の写真が送られてきます。写真越しならまだましですね。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:課税調査がある

 

課税調査とは、かんたんに説明すると生活保護受給者が働いていないか確認する調査です。

 

生活保護受給者が働くこと自体は悪いことではありませんが、働いたらケースワーカー(生活保護担当)に報告する義務があります。その報告をちゃんとしているかを課税調査をして確認します。

 

 

ときには生活保護家庭の高校生が親に黙ってアルバイトをしてしまい、この調査に引っかかります。当然、高校生は知らなっかただけで悪意はありません。

 

 

しかし、その場合でもペナルティーがあり、黙って働いた分の給料を返還してもらうことになります。それを高校生にちゃんと説明しなければいけません。ほんとに心苦しいです。ケースワーカー(生活保護担当)になったら、高校生がいる世帯には特に気をつけましょうね。

 

公務員(生活保護担当)の仕事:有給を取りやすい

 

ケースワーカーは、良くも悪くも1人でする仕事が多いです。医者や施設担当者との会議があったとしても、自分で日程を決めるので有給を取りたい日にとれます。

 

ワークライフバランスは最高ですね!家族がいる人には都合がいいですね!

 

公務員(生活保護担当)の仕事:まとめ

 

今回はここで終わりです。生活保護担当(ケースワーカー)の仕事は大変なこともありますが、慣れてしまえば定時で帰れるし最高です。

 

大変できつい仕事というイメージが先行しているだけです。公務員のなかには、生活保護担当(ケースワーカー)よりも大変できつい仕事があります。そっちのほうがよっぽどおそろしいですよ。

 

ここでお話した以外のこともたくさんありますが、そのお話はまたの機会にします。

 

それではさようなら(ヾ(´・ω・`)

 

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