国税専門官の倍率【2021年受験者必見、試験情報もあり】

 

こんにちは、元公務員のあやんぼです。

 

この記事では2014年から2021年までの、国税専門官の倍率について説明します

また、倍率以外にも、国税専門官の情報を網羅しましたので気になる方はご覧ください。

 

国税専門官の倍率【2014年〜2021年】

年度 採用予定者 申込者数 受験者数 1次試験合格者数 最終合格者数 倍率
2021年 1500 まだ まだ まだ まだ まだ
2020年 1350 14131 9052 7189 3903 2.3
2019年 1200 14238 10490 6154 3514 3.0
2018年 1200 15884 11678 6075 3479 3.4
2017年 1200 16168 11504 5962 3341 3.4
2016年 1200 16501 12180 5638 3032 4.0
2015年 1210 13197 8762 5923 3291 2.7
2014年 1070 16510 10635 5244 2834 3.8

 

2019年の倍率について詳しく

他の公務員試験と比べると驚くほど低い倍率です。しかも、2019年の1次試験受験者は10,490人であり、そのうち6,154人が一次試験を突破しています。

 

これは、1次試験(筆記試験)の倍率は約1.7倍ということになります。つまり、2人に1人は1次試験に合格できるということですね。

また、面接試験受験数は6,154人。最終合格者数は、3,514人。

 

これは、面接試験の倍率は1.75倍ということです。

とても受かりやすいですよね。面接に自信がない人は国税専門官を受験するといいかもしれません。

 

そして、国税専門官には会計学と商法(合計10問)という科目が出題されます。この2科目は、多くの受験生が捨て科目にします。

なぜなら、会計学は国税専門官でしか出題されませんし、商法も一部の試験種でしか出題されないからです。

 

だからこそ、会計学と商法を勉強することで他の受験生に差をつけることができます。また、上位合格も狙いやすくなります。

 

2020年の倍率について詳しく

2020年は、2019年よりさらに倍率が下がりました。

 

理由は、2つあると考えています。

1つは、採用数が増えたこと。

もう1つは、筆記試験の自体者数が増えたこと。コロナによる試験延期で疲れてしまった人、勉強不足だった人が逃げてしまったのでしょう。

 

2020年の1次試験受験者は9052人であり、そのうち7189人が一次試験を突破しています。これって凄いと思いませんか?

一次試験の筆記の倍率は、約1.26倍です。私が知っている限りでは、筆記択一試験の点数が33点、34点でも合格しています。しかも、その点数で、面接はC評価でも合格しています

 

ですので、筆記試験に合格できてしまえば、あとはなんとかなります。

ちなみに、面接試験の倍率は、1.84倍です

2021年の倍率について

採用者数が2020年よりも150人増えて、2021年は1500人になりましたね。

確実に昨年よりも合格しやすくなります。大チャンス到来です。

国税専門官の採用率

国税専門官の2次試験(人事院面接試験)に合格するだけでは国税専門官になることはできません。

 

まず、最終合格者は採用合格者名簿に記載され、各年の欠員状況など考慮して、それぞれの国税局に配属されます。

 

採用される国税局については、ある程度、本人の希望を考慮してくれます。しかし、合格者が特定に国税局に集中することがよくあります。

そのような場合は、成績が優秀だった人のほうが優遇されます。ですので、希望する国税局に絶対採用されたいという方は筆記試験でできる限り得点する必要があります。

また、採用合格名簿に記載されても、国税局から内定がもらえない人もいます。

 

こちらが採用漏れの表です。

名簿確定日 名簿記載者数 ※採用者数 辞退・無応答者数 採用候補者数
29年 29/8/23 3341 1109 2227 15
28年 28/8/22 3032 1043 2038 37
27年 27/8/25 3291 1154 1952 184
26年 26/8/20 2834 1033 1729 77
25年 25/8/21 2539 1070 1463 42
24年 24/8/22 1662 567 1032 65
23年 23/8/19 1916 728 1181 11
22年 22/8/20 1988 742 1233 13
21年 21/8/21 2307 905 1402 0

※24年度から名簿記載期間が3年間に変更になったため、24年度以降の採用者数は過年度からの採用者を含みます。

※公務員白書H30年度より

 

採用漏れはわずかではありますが、あります。

しかし、最終合格発表日の説明会に参加すれば、ほとんどの人が内定をもらえますのでそこまで焦る必要はありません。まずは、筆記試験に合格することが最優先です。

 

国税専門官の転勤

国税専門官ですが、転勤はありますが全国転勤ではありません。採用された局の管轄ないで転勤をすることになります。例外として、出世する人は全国転勤をします。

また、転勤のサイクルは3年から5年です。

こちらがそれぞれの局の管轄している都道府県をまとめた表ですので参考にしてください。

国税局 管轄している都道府県
札幌国税局 北海道
仙台国税局 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県
関東信越国税局 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、長野県
東京国税局 千葉県、東京都、神奈川県、山梨県
名古屋国税局 富山県、石川県、福井県
金沢国税局 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
大阪国税局 滋賀県、京都県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県
広島国税局 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県
高松国税局 徳島県、香川県、愛媛県、高知県
福岡国税局 福島県、佐賀県、長崎県
熊本国税局 熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
沖縄国税事務所 沖縄県

 

国税専門官の試験日程

このデータは2019年度のものです。最新のデータは毎年2月に発表されますので、各自で確認しましょう。おそらく来年も今年と同じような日程で試験が行われると予想されます。

 

令和元年の試験日程

  • 受験申し込み期間

平成31年3月29日9時~4月10日

 

  • 試験日

1次試験 2019年6月9日

2次試験 2019年7月11日~7月19日のうち第1次試験合格通知書で指定する日時

 

  • 合格発表日

1次試験合格者発表日 2019年7月2日9時

最終合格者発表日 2019年8月20日9時

 

国税専門官の筆記試験

トラさん
ここからは、試験概要について説明します。

試験科目

試験の種類 試験の方法 試験の時間 特徴
基礎能力試験(教養試験) 択一式・40問必須解答 140分 一般知能が27問、一般知識が13問
専門択一試験 択一式・70問中40問選択解答 140分 必須問題16問(民法・商法、会計学)と他9科目から4科目24問を選択解答する
専門記述試験 記述式・5問中1問解答 80分 憲法、民法、経済学、会計学、社会学から1科目を選択解答する。

 

配点比率

基礎能力(教養) 専門試験 専門記述 人物試験
2/9 3/9 2/9 2/9

 

国税専門官は、専門択一試験が基礎能力試験(教養試験)の1.5倍のウエイトがあります。このことから、専門試験対策の優先度が高いことがわかりますね。

 

国税専門官の科目別出題数

どの科目がどのくらい出題されるかを把握することはとても重要なことです。出題数が少ない科目に対して労力を大幅に割く余裕はありません。以下の表で、国税専門官の筆記試験に出題される科目の出題数を確認しましょう。

 

基礎能力試験(筆記試験)

科目 出題数
数的推理
判断推理
空間把握
資料解釈
現代文
英文
世界史
日本史
地理
思想
物理
化学
生物
法律(社会科学)
経済(社会科学)
時事
合計 40

 

  • 文章理解

現代文は、内容合致4問、文書整序1問、空欄補充1問の合計6題出題されます。英文は、内容合致3問、文章整序1問、空欄補充1問のが合計5題出題されます。

 

専門試験(多肢選択式)

科目 出題数
憲法
民法1・2
行政法
商法
ミクロ経済学
マクロ経済学
財政学
経済事情
政治学
社会学
社会事情
経営学
会計学
英語(一般)
英語(商業)

 

※補足

民法、商法、会計学(合わせて16題)は必須解答です。

それ以外の、憲法・行政法、ミクロ・マクロ・経済事情、財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、英語一般、商業英語などの科目から4科目24題を選択して解答します。

 

おすすめは、憲法・行政法、ミクロ・マクロ・経済事情、財政学、経営学ですね。年によって難易度は違いますが、比較的解きやすい年が多いです。

 

逆におすすめしないのは、政治学・社会学・社会事情と商業英語です。これも年によって難易度にばらつきがあるのですが、国家系の政治科目は細かい論点が出題されやすいです。ですので、安定性に欠けます。

また、商業英語は英字新聞がストレスなく読めるぐらいの英語力が必要ですので、英語に自信がある方以外は避けた方が無難です。

 

会計学の勉強法

会計学は8問出題されます。そのうちの1問は「仕分け」が出題されます。仕分けには簿記の知識が必要になりますので、まずは簿記3級の参考書を3日で一読してください。

TACの簿記の参考書を3日で一読して、仕分けについて最低限の知識を身に付けてください。この時点で仕分けの問題が解けるようになるわけではありません。何となく感じをつかむ程度でいいです。仕分けが解けそうなのか、無理そうなのかを判断してくだい。無理なら仕分け問題はあきらめて捨てましょう。

 

たとえ仕分け問題を捨てたとしても、この参考書で身に付けた簿記の知識は必ず会計学に生きてきます。根拠は私がそうだったからです。

スー過去の解説は初学者にとっては少し不親切なので、いきなりスー過去で勉強するよりは、簿記の参考書で仕分けの勉強をしてからの方が挫折しにくいかと思います。どうせ、国税専門官の試験では仕分け問題が出題されるので無駄にはなりませんよ。

とはいえ、簿記3級の仕分けを学習してもスー過去の会計学だとわからないことが多く、勉強をするのにストレスを感じずにはいられませんでした。

 

解決策は、慣れです。

 

何度もインプットして、何度も問題を解くと徐々に会計学特有の専門用語を覚えていきます。そうすると、徐々に正答率が上がっていきました。あとは、スー過去の解説に載っていない会計用語についてはグーグル検索で調べたりもしました。

このように勉強をすると、独学でもなんとかなりますよ。

 

国税専門官の面接試験

 

  • 試験形式:個別面接(面接官:受験生=3:1)
  • 試験時間:15分程度

 

一次試験に合格すると人事院面接があります。この面接は、面接カードに沿った基本的な質問ばかりです。

 

しかし、国税専門官は人事院面接のあとの採用面接に合格しないと国税専門官にはなれません。採用面接はそれぞれの国税局が行うものです。この採用面接に合格すると国税専門官になれます。

 

税務書訪問をして面接を有利にする

 

官庁訪問のようなオフィシャルな制度ではありませんが、税務署訪問というものがあります。

 

この税務所訪問は合否に直接の影響はないとされています。

しかし、面接試験では税務署訪問の有無をほぼ確実に問われます。「第一志望です!」と言っておきながら、職場訪問はしていないだと本当に第一志望なのかと疑われることでしょう。

 

勉強の合間をぬって、税務署訪問をしてみてくださいね。

しかし、すべての税務署がこの訪問を受け入れてはいません。まずは自分が採用されたいと思う税務署の情報を調べてみましょう。

国税専門官の倍率【まとめ】

【2019年】
国税専門官の一次試験の倍率は、約1.7倍。
面接試験の倍率は1.75倍。
試験全体の倍率は、3.0倍。

【2020年】

国税専門官の一次試験の倍率は、約1.26倍。
面接試験の倍率は1.84倍。
試験全体の倍率は、2.3倍。

 

今回は以上です。

公務員に確実になりたい人は、「会計学」を必ず勉強しましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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